ジャズ好き老人の独り言

ジャズ歴の長い老人がジャズについて勝手に書いています. 花や風景写真も投稿しています.

Jazzの話-27 ”I Remember Clifford“-1

ジャズ好き老人

前回まで, Clifford Brown のアルバムについて書いたので, Clifford Brown の死を惜しんで, Benny Golson が作曲した, 惜別の曲, I Remember Clifford のいろいろな演奏について書きます.


I Remember Clifford の演奏で最も有名なのが, Trumpeter の Lee Morgan のアルバムの Lee Morgan Volume 3 (1957年3月24日録音)に収録されている演奏で, 当時, 脚光を浴びていたTrumpeter の Lee Morgan (当時19歳)に対して, Benny Golson が アルバムに参加する際に, この楽曲を演奏するよう促して録音したものだそうだが, 調べてみると, Lee Morgan の11日前の1957/3/13に Donald Bryd (当時25歳)が, Jazz Lab のアルバムで演奏しており, この曲の初録音とのこと. これは, Donald Bryd とJazz Lab というグループを結成していた Gigi Gryce と Benny Golson が, 新曲を管理・出版していた Gryce と, 作曲者 Golson の信頼関係の中に, 次代を担うTrumpeter として Donald Bryd がいたことが直接のきっかけになったとのこと.  

また, Clifford Brown の才能を早くから確信していた Dizzy Gillespie は, Benny Golson が初めて披露したこの曲を聴いて, その美しさを即座に認め, 自身のグループで録音することを熱望し,1957年7月6日のニューポート・ジャズ・フェスティバルで演奏し, 録音したのが Dizzy Gillespie at Newport.


Lee Morgan Volume 3 は, フロント3管の Sextet編成で, 3管による分厚いアンサンブルが曲の美しさを際立たせ, Lee Morgan の輝きに満ちた音色で, 美しい旋律を哀愁たっぷりに歌い上げるTrumpet Solo は, Ballad 演奏の極みとも思える素晴らし演奏になっている. この演奏を初めて聴いた後, Trumpet Solo の印象が強すぎて, Quartet 編成だと思い込んでいた時期もあったほど, Trumpet の演奏が素晴らしい. 


Donald Byrd & Gigi Gryce / Jazz Labは, フロント2管の Quintet に, Trombone, Baritone Sax, French Horn, Tuba が加わった Nonet 編成で, 追加した4管による彩り豊かなハーモニーにのって, 艷やかで温かみがあるが, 抑制され, 哀愁感漂う音色の Donald Byrd の Trumpet と, 流麗で繊細な Gigi Gryce の Alto Sax の Solo を聴くことができるアルバムで,彩り豊かなハーモニーにのった2人の Solo の対比も聴き応えがある.


Dizzy Gillespie の演奏は, Trumpet 5本, Trombone 3本, Sax 5本と3人のリズムセッションからなる Big Band 編成だが, やはり Dizzy Gillespie のみが唯一の Solist として, 緊張感と情感を漂わせ, 全編を吹ききっており, Big Band の他のメンバーは, 温かみのあるハーモニーが Gillespie の抑制された美しいメロディーの Trumpet を優しく支えており, Clifford Brown への深い追悼の気持ちが感じられる演奏になっている.


Benny Golson が リーダー格のアルバムとしては, Art Farmer & Benny Golson Jazztet の Meet The Jazztet の演奏が比較的良いと思っている. Jazztetは, フロント3管の Sextet 編成で, Art Farmer & Benny Golson に加え, Trombone の Curtis Fullerがフロントを担当し, 初録音の若い McCoy Tyner が Piano を弾いている. このアルバムに収録されている I Remember Clifford は, Art Farmer の暖かみがあり,ソフトな音色のTrumpet と, 3管による洗練されたアンサンブルが, 曲の美しさが際立たせている.


Milt Jackson (Vibes) の Bag’s Opus は, Art Farmer (Trumpet), Benny Golson (Tenor Sax), Tommy Franagan (Piano), Paul Chambers (Bass), Conie Key (Drums)の Sextet による演奏だが, I Remember Clifford では, Trumpet と Tenor Saxは, Milt Jackson の Solo のバックにアンサンブルを付けているだけなので,ちょっと邪魔にも感じ, Tommy Franagan とBass, Drums の Trio のみの方がシンプルで良いように感じる.Milt Jackson は, クリアーだが温かく包み込むような音色で情感豊かに演じており, 曲の美しさを際立たせている.


Modern Jazz Quartet (MJQ) も European Concert で演奏しているが, ここでの Milt Jackson の演奏は, Bag’s Opus のような暖かみが感じられず, MJQ がクールに Ballad を演奏している雰囲気で, 惜別といった気持ちはあまり感じられない.


ディスクジャケットの写真を載せた6アルバムは, Lee Morgan Volume 3, Donald Byrd & Gigi Gryce / Jazz Lab, Gillespie at Newport, Meet The Jazztet, Bag’s Opus と European Concert

ジャズ好きの老人がアルバムなどのことを独り言のように書きます