ジャズ好き老人の独り言

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今年のスーパーエルニーニョは, 過去最大規模の可能性大

ジャズ好き老人

7/10 米気候予測センター(CPC)は, 太平洋で先月発生したエルニーニョについて, 過去75年余りで最強クラスになる可能性が高いとの見方を示した(過去75年余りとは, エルニーニョの観測体制が整って以来を意味する).

また 7/10に気象庁は, 1997年春〜1998年夏のエルニーニョ現象における+3.6℃を上回る過去最高となる可能性が出てきたと発表した.


今回のエルニーニョは, 水温平年差+2.0℃以上のスーパーエルニーニョに相当し, 1950年以降でも, スーパーエルニーニョは, ① 1957年〜1958年, ② 1972年〜1973年, ③ 1982年〜1983年, ④ 1997年〜1998年,⑤ 2015年〜2016年 の5回 発生し, 世界全体に甚大な災害をもたらしている.

また, 1877年〜1878年には, 歴史上最大級と言われるスーパーエルニーニョが発生し, インド, 中国 (清朝), ブラジル北東部, アフリカ東部などの広範囲で, 同時多発的な大干ばつと飢饉を引き起こし, 世界全体で最大1900万人〜5000万人が命を落としたと推定されている.

尚, この膨大な死者数は, 植民地支配や当時の経済思想という人為的・社会的な要因が最悪の形で重なったためとのことで, スーパーエルニーニョの直接的な影響ではない.

今回のスーパーエルニーニョ現象は, 地球温暖化が進行する中での現象であるため, 気候システムの“掛け算”として機能し, 世界各地で記録的な熱波, 干ばつ, 大規模な洪水, そして深刻な農業・経済的打撃など激甚な複合災害を引き起こすと予測されている.具体的には,

⑴ 温暖化による気温上昇にエルニーニョの高温が加わり, 地球全体の平均気温が記録的に跳ね上がり, カナダやオーストラリアなどの乾燥地域では大規模な森林火災が多発し, 深刻な大気汚染や生態系破壊を招く.

⑵ 太平洋西部 (東南アジア・オーストラリア・インドネシアなど) では極端な水不足に陥り, 水力発電の停止による大規模な電力危機が発生する.

⑶ 本来乾燥している地域 (南米ペルーなど) では豪雨や河川の氾濫が発生し, 土砂災害が多発する.

⑷ 干ばつや洪水による主要農作物 (米, トウモロコシなど) の不作や, 海水温上昇による魚の激減が重なり, 世界的な食料不足と物価高騰を招く


また, 日本国内への影響は,

⑴ 従来のエルニーニョは ”冷夏“ をもたらすとされていたが, 地球全体の海水温が高い現代においては, 南からの暖湿流が流れ込みやすく, 非常に蒸し暑い記録的な猛暑となると予測される.

⑵ 梅雨末期や秋雨の時期に極端な大雨や線状降水帯が発生しやすくなり,豪雨や河川の氾濫が発生し, 土砂災害が多発する可能性が高い.

⑶ 台風の発生位置が通常より南や東にずれるこ可能性が高く, 日本に接近するまでに海上で十分なエネルギーを蓄え, 勢力が非常に強いまま長寿命化し, 日本に接近, 上陸する可能性があり, 暴風雨や河川の氾濫が発生し, 土砂災害や暴風による被害が多発する可能性が高い.


尚, 気象庁が言及した1997年春〜1998年夏のスーパーエルニーニョによる世界全体の直接的な被害額は約320億ドル〜960億ドル, 死者数は約2万3000人と報告されている.更に, 近年サイエンス誌に発表されたダートマス大学の研究などでは, 発生後5年間にわたる成長の停滞を算入すると, 世界経済は最終的に約5.7兆ドルもの大打撃を受けたと試算されている.


今年のスーパーエルニーニョは, 1997年春〜1998年夏のレベルを大きく上回ってしまうのか !