ジャズ好き老人の独り言

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海外で中国企業が遷移金属採掘などで人権・環境被害を出し続ける根本原因は中華思想・法家思想にある

ジャズ好き老人


Sustainable Japan というサステナビリティ・ESG環境ニュースのサイトに ” ❲国際❳ 遷移鉱物の人権・環境被害, ワースト10社はすべて中国企業, BHRC ” という記事が, 2026.7.28に掲載されていた.


これは, 国際人権NGOのビジネスと人権センター (BHRC) が7月16日に発行したレポートを元にした記事で, 具体的には, 2021年以降, 中国企業の海外における遷移鉱物への投資に関連した人権・環境被害の申し立ては年々増加しており, 2023年から2025年の間に326件発生, 2021年からの累計は434件に達し, 申し立て全体の約65%が上位10社の中国企業に集中しているというもの.

上の図は,海外進出した中国企業に対する遷移鉱物への投資関連の人権・環境被害の申し立て数の推移


国別の申し立て件数では, インドネシアが96件, コンゴ民主共和国が52件, ミャンマーが36件.

鉱物別では, ニッケル 91件, 銅 72件, コバルト 45件, リチウム 39件, レアアース 35件.

また, サプライチェーンの段階別では, 採掘段階が全体の66% (213件), 製錬・精製段階が約25% (80件)

被害を受けた対象は, 地域社会への影響 179件, 環境への影響 169件、労働者への影響 143件であり, 具体的な被害内容としては, 水質汚染 102件, 労働安全衛生 100件, 地域住民の生計への悪影響 85件

以上のように, 中国企業は, バッテリー製造などに必須の遷移金属を安価に多量に確保し, 自国のバッテリーEVの製造コストを下げるなどのため, 進出した海外で, 汚染物質の垂れ流しなどの悪事を平然と行なっていることが如実に示されている.


ところで, 中国国内では, かつてのように汚染物質を “ 垂れ流し ” にしていた状況は、急激に強化された国内の環境規制によって, 近年では極めて困難になっており, 汚染対策を怠る企業は実質的に市場から排除される仕組みへと変化しているとのこと.

既に, 2014年に改定された基本法である環境保護法と,各分野毎の個別法にあたる ”大気汚染防止法 ” , ” 水汚染防止法 “ , ” 固形廃棄物法 “などによって, 厳しい罰則が施行されるようになっていたが, 抜け穴を塞ぐため, 2026年8月15日からは, 最新の “ 生態環境法典 ” が本格始動し, 環境汚染に対する企業責任と罰則がこれまでになく強化されるとのこと. また, 工場には, 地方政府が管理する ” 自動モニタリングシステム “ の設置が義務付けられ, 排水や排ガスのデータが24時間体制で監視されているとのこと.

但し, 沿海部や大都市 (上海、北京など) での取り締まりが厳しくなったため, 一部の ” 汚染型産業 “ が規制の監視が届きにくい内陸部や地方の未開発地域へ拠点を移したり, 監視の目を盗んで夜間に排水を行うような悪質な中小・零細企業もあるとのこと.


このように, 国内では, 環境汚染を厳しく締まっている一方, 海外では,汚染物質を垂れ流しているのは,

⑴ 自分たち (中華) は世界の中心であり, 最も優れた文明を持っており, その周囲にある国々 (夷狄:いてき) と呼ばれる周辺国は野蛮で劣った存在であるという世界観 (中華思想) があり,中心である自国の利益や秩序は絶対であり, 周辺国はそのために存在し, 従うべきだという根本思想があること.


⑵ 国家を強くし, 富を得るためには, 手段を選ばず ” 力 “ を行使することを肯定し, 道徳や他国への配慮は, 国を弱くするだけの, 無駄なものとみなす法家思想という根本思想があること.


⑶ 清や明, 漢の時代には, 周辺国は中国の皇帝に貢物を捧げる (朝貢する) ことで, 自国の統治を認めてもらい, 経済的な恩恵を得ていたが,

現在では, 中国の圧倒的な経済力・軍事力を背景に, インフラ投資 (資金) という経済的利益を与えた上で, 相手国が経済的に逆らえない債務の罠を作り出し, 自国企業の汚染を黙認させるという, 現代版の朝貢外交とも言える構造を創り上げていること.


⑷ 現地で汚染が起きているなら、それは現地の政府が法に基づいて取り締まるべき問題であり、中国政府が越権行為をして現地の中国企業を処罰することはできないという, 内政不干渉という都合のよい言い訳を隠れ蓑にしていること.


以上のように, 中国の中華思想や法家思想といった根本思想に根ざした, 国家利己主義, 法の支配の軽視と, ご都合主義, 非対称性な力関係を利用した支配によって,国家の 資源安全保障を最優先にして, EV・ハイテクの覇権を確保しようとしているため, 進出した海外で, 汚染物質の垂れ流しなどの悪事を平然と行なっていると言われている.


これらに対して, グローバル企業は, 中国のサプライヤー (部品製造企業) に対して, 製品の “ 原材料調達 ” から “ 製造 “, “ 流通 ”, “ 使用 ”, “ 廃棄・リサイクル ” に至るまでの全プロセスの環境負荷を定量的に表す厳格な LCA のデータ開示とクリーンな生産を要求しており, 汚染を垂れ流す企業は, サプライチェーンから即座に外すようにしている.


このように, 規制や LCA 評価の導入が進められているにも関わらず, 海外に進出した中国企業が, 汚染物質の垂れ流しているのに, サプライチェーンから外されていないのには, ここにも大きな欺瞞行為がある.


それは, LCA を計算する際、自社鉱山の正確なデータがない場合は, ” 世界平均の精錬コスト・汚染度 “ といった標準データベースの数値を使って計算することが許されているため, 現地でどんなにひどい汚染物質を垂れ流してコストを浮かせていても, 帳簿上は “ 標準的なクリーンさ ” として処理していたこと.

また, EU バッテリー規則では, EV 用のバッテリーを欧州で売るためには, 原材料の採掘からリサイクルまでの CO2 排出量 (LCA データ) の開示が義務化され, 基準値を超えているバッテリーは, 欧州への輸入が一切禁止されているが, 多くの企業が ” 環境配慮 “として公表する LCA データは, 地球温暖化ガス (CO2) の排出量に偏っているため, 現地で二酸化硫黄の有毒ガスを空に放出し, 強酸性の排水を海や河川に垂れ流して生態系を破壊 (局所的な環境汚染) していても, CO2 の排出量が少なければ “ エコな EV バッテリー ” として評価される歪みがあったこと.


このような LCA に, 標準データベースを用いてクリーンを装うような, 中国企業の欺瞞行為に対して,欧米諸国 (特にEU) は, バッテリー規則を筆頭に, LCA のルールそのものを書き換え, 海外での汚染を完全に数値化・ペナルティ化する規制を導入し, 実際の現場で測定した生データの提出を義務化した. これにより, コンゴやインドネシアの操業データをブラックボックス化することができなくなってしている.

また, 2024年に発効したEU の “ 企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令 (CSDDD) ” により, 企業は自社だけでなく, サプライチェーンの最上流 (アフリカの鉱山など) における水質汚染, 大気汚染, 生物多様性の破壊を特定し, 対処することが義務付けられた. これにより, カウントされた汚染が是正されなければ, 企業に対して巨額の罰金が科されるほか, 製品そのものが欧州市場から締め出されるようになった.

更に, 製品一つひとつに QR コードなどを付与し, どこの鉱山で採掘され, どれだけ環境を汚したかの履歴 (LCA データ) を完全に可視化する, ブロックチェーンを利用したデジタル製品パスポート (DPP) が始まっており, 汚染を垂れ流して作られた金属は, このパスポートの段階で ” 不合格 “ の烙印を押されるようになった.


このように, 中国政府や中国企業が “ 海外だから見つからない ” , ” 現地の規制が緩いからいい ” と高を括っていた汚染行為は, 買い手側 (欧米市場やグローバル企業) が LCA の測定網を, 採掘現場 (海外の現場) まで強制的に広げたことで, 隠し通せなくなっており, 中国企業は海外であっても多額のコストをかけて環境対策をせざるを得ない状況に追い込まれつつあるとのこと.


但し, 人権・環境被害の申し立ては, 被害住民側の国際的な告発・訴訟手段の発達の影響もあるが, 年々増加しているのが現実であり, これは, 企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令の本格義務化は2028年以降であるため, 駆け込みで増産していること, また, 近年の法改正によって適用対象が “ 従業員5,000人以上, 売上高15億ユーロ以上 ” の大企業へと大幅に絞り込まれたため, 規制の網から漏れる中堅の中国系サプライヤーが今も現地で汚染だし続けていること. 更に, インドネシアやコンゴで環境を破壊して採掘したニッケルやコバルトを, 一度環境規制の緩い第三国 (東南アジアの他国や中東など) に輸出し, そこで加工して ”クリーンな原材料“ に書類上偽装してから欧州や日本へ輸出するルートが常態化しているためとのことであり, マネーロンダリングのような.犯罪行為を行っているようだが, ブロックチェーンを利用したデジタル製品パスポートやDNA分析のような金属材料の科学分析で, 産地を特定する等で対応するようになっているようだ.


また, 欧米やグローバル企業からの要求がないアフリカや東南アジア向けの製品や, 中国の国内市場だけで流通する安価な製品については, 今でも LCA の算出や開示はほとんど行われておらず, 現場での環境汚染も放置されやすいという歪みにつながっているとのこと.


尚, 中国独自の国内規制の中には, まだ法的な義務 (強制力のある罰則付きの法律) として LCA は組み込まれていない.


また, LCAにおいて, 実際の現場で測定した生データの提出を義務付けるなどの圧力に対し, 中国政府は, 欧州の基準だけで計算されると, 中国の工場 (まだ石炭火力発電の割合が高い) は著しく不利な LCA 数値になるため, 自国企業が不利にならないために, 中国の実態に即した LCA の計算基準を国を挙げて作り, 海外から要求されたときに, 自国に有利な理論武装をしてデータを提出できるようにするためのプラットフォーム構築を急いでいるとのことで, ここにも, 中国の根本思想に根ざした, 国家利己主義, 法の支配の軽視と, ご都合主義 が垣間見える状況になっている.


今売られているバッテリー EV に搭載されているバッテリーの多くは, 中国製であり, その他の電気製品にも, 多数の中国製バッテリーが使われているため, これらに製品を購入することは, インドネシアやコンゴ民主共和国での環境汚染拡大に, 我々が関与していることになっているのかもしれない.