Jazz の話-63 Jazz コーラス-3
The John La Salle Quartet の Jumpin' At The Left Bank というアルバムは, 1950年代に活動したアメリカの男性3人, 女性1人の4人組ジャズ・ヴォーカル・グループの The John La Salle Quartet が残した2枚のアルバムの内の1枚目のアルバムで, 1959年にリリースされた.
このアルバムでは, 軽やかに心地良くスウィングするバックバンドの伴奏の乗って, The John La Salle Quartet が, 小粋で軽快にスウィングするスキャットやアンサンブルを聴かせてくれる.
収録されている曲の中では, 2曲目の Let There Be Love は, 洒落た小粋にスウィングするトラックで, 女性メンバーの Marlene Ver Planck の弾むような歌声が印象的.
3曲目の I'll Never Smile Again は, 3人の男性メンバーのコーラスをバックに, 女性メンバーの Marlene Ver Planck の澄んだ美しい声が切なく響く.
6曲目の Out Of This World は, ちょっとミステリアスの雰囲気の中で, モダンなアンサンブルの美しさが際立っている.
7曲目の Just In Time は, バランスの良い4人の声が溶け合ったユニゾンから, 一瞬の内に美しいハーモニーに広がる構成美が素晴らしい.
12曲目の Everybody Loves My Baby は,バックバンドと協調した4人の一糸乱れぬハイスピードコーラスと, 4人のユニゾン, 代わる代わるのスキャットの掛け合いが聴き応えがある. 特に, 終盤のハーモニーでの, 女性メンバーの Marlene Ver Planck のハイトーンスキャットと男性陣の小粋な低音スキャットのコントラストが素晴らしい.
など, このアルバムでは,4人による素敵なコーラスを堪能できる.
The Blue Stars of France の Lullaby of Birdland & Other Famous Hits というアルバムは, 1956年にリリースされた The Blue Stars of France の 1st アルバム.
The Blue Stars of France は,1950年代にフランス・パリで活躍した男女混成ジャズ・コーラス・グループで, 米国の Jazz Pianist 兼 Singer の Blossom Dearie がパリに移住した際に, 1952年に結成したグルーブ. メンバーには, Blossom Dearie 以外にも, Michel Legrand の姉であり, 後に The Swingle Singers を結成した Christiane Legrand など, 当時の Jazz 界を代表する才能が集まっていたとのことで, 彼らの先駆的なジャズ・ヴォーカル・スタイルは, 後の Double Six of Paris, Lambert, Hendricks & Ross や The Swingle Singers といった高名なヴォーカル・グループが誕生する直接のきっかけとなったとのこと.
メンバーは, 女性 Singer 4名 と Instruments (Sax, Trumpet, Vibraphone) 兼 Vocal 担当の男性 3名 と 男性 Pianist 1名の8名編成.
収録されている全曲の編曲は, Michel Legrand が担当しているとのこと.
アルバム Lullaby of Birdland & Other Famous Hits は, フランス語で歌われる洒落ていてアンニュイな雰囲気と, キュートで小粋な女性コーラスの美しいハーモニーと, 女性コーラスを優しく包み込むような男性コーラスが魅力的なアルバム.
特に, Blossom Dearie の キュートなささやくようなウィスパーボイスと,1曲目の Lullaby of Birdland の冒頭から響き渡る, 女性コーラスのクリスタルのように澄んだハイトーンを担当している Christiane Legrand の歌声が凄く魅力的なアルバムとなっている.
収録されている全ての曲は, どれも魅力的だが, 私は, 2曲目の Tout Bas (Speak Low), 3曲目の Gina, 4曲目の Plus Je T'embrasse (Heart Of My Heart), 5曲目の Toute Ma Joie (That's My Girl), 9曲目の Embrasse Moi Bien (Hold Me Close) , 11曲目の La Danse Du Baiser (The Kissing Dance) が気にいているトラックになっている.

The Pat Moran Quartet の The Pat Moran Quartet というアルバムは, 1956年にリリースされた彼らの 1st アルバム.
メンバーは, Pat Moran (Piano, Vocal), Bev Kelly (Vocal), John Doling (Bass, Vocal), Johnny Whited (Drums, Vocal) の4名で, Pat Moran Trio に Vocal の Bev Kelly が加わる形で結成され, コーラスの場面では Trio のメンバーもコーラスに加わるという演奏スタイルで, 洗練されたモダンなハーモニーを聴かせてくれる. アルバム全曲がコーラスというわけではなく, 2曲目の A Foggy Day, 4曲目の Have You Met Miss Jones, 8曲目の The Best Things In Life Are Free, 10曲目の Medley: Spring Is Here / It Might As Well Be Spring は,Trioによる Instruments の演奏, 3曲目の What A Difference A Day Makes と 9曲目の Sunday Kind Of Love は, Bev Kelly の Vocal を Piano Trio が伴奏しているトラックで, コーラスは, 収録されている12曲中の, 1曲目の This Can't Be Love, 5曲目の I Should Care, 6曲目の Gone With The Wind, 7曲目の Somebody Loves Me, 11曲目の Two Sleepy People, 12曲目の Pick Yourself Up の6曲となっている.
Piano Trio は, 軽快でスウィンギーな演奏を聴かせてくれる. また, Bev Kelly の Vocal では, ハスキーで温かみのある歌声で, 3曲目の What A Difference A Day Makes では, スウィンギーな歌唱を, 9曲目の Sunday Kind Of Love では, しっとりした情感豊かな歌声を聴かせてくれる.
コーラスのトラックでは, 何よりも凄いと思ったのは,Bev Kelly 以外は, 3人共に楽器を演奏しながら, 混声コーラスをこなしていること. そして渋い低音の男性2人と, クールで華やかな女性2人の混声が絶妙なコントラストを生み出しており, 女性の華やかさを際立ったモダンでスウィンギーなハーモニーを聴かせてくれる.
私が気に入っているトラックは,スウィンギーなハーモニーが聴ける 1曲目の This Can't Be Love と, Bev Kelly の歌声にバックのハーモニーが寄り添う 5曲目の I Should Care と,しっとりしたハーモニーが聴ける11曲目の Two Sleepy People の3曲.
The Pat Moran Quartet のもう1枚のアルバムは, 1957年にリリースされた While At Birdland.
The Pat Moran Quartet が 当時 New York のクラブ Birdland に出演していたのに合わせ, ブラス・セクションを迎えてスタジオ録音された 2nd アルバム.
ゲストとして加わったメンバーは, Oscar Pettiford (Bass), Sam Most (Flute), Anthony "Tony" Ortega (Alto Sax), Dick Meldonian (Alto Sax), Burt Collins (Trumpet), Earl Swope (Trombone), Nat Pierce (指揮, 編曲) で, これらブラスセッションを加えることで厚みのあるサウンドを創り出している.
但し, このブラスセッションが加わっているのは, コーラスが演じられているトラックのみであり, それは, 1曲目の Thou Swell, 2曲目の Have You Met Miss Jones, 6曲目の Come Rain or Come Shine, 7曲目の I'll Be Around, 8曲目の Just Squeeze Me, 12曲目の Mother Macree.
それ以外のトラックでは, 4曲目のJor-Du, 9曲目の I Can't Get Started, 11曲目の I'll Remember April が Piano Trio による演奏, 5曲目の It Never Entered My Mind が Pianoソロ, 3曲目の Lover Man は, Bev Kelly の Vocal を Piano Trio が伴奏しているトラックで, 10曲目の Lullaby of the Leaves は, Bev Kelly の Vocal を Piano Trio + Flute が伴奏しているトラックとなっている.
コーラスのトラックでは, 1曲目の Thou Swell と 12曲目の Mother Macreeはブラスセッションが加わったことで, 躍動感が増したトラックになっている一方, 2曲目の Have You Met Miss Jones と 8曲目の Just Squeeze Me では, コーラスのバックで 奏でられる Flute が, コーラスにまろやかな温かみ加えており, 更に途中での Piano Trio をバックに演じられている Flute のソロが優しい風を感じさせる.
6曲目の Come Rain or Come Shine と 7曲目の I'll Be Around は, ブラスセッションがコーラスのハーモニーに厚みを持たせている.
Piano Trio は, 前作と同様に軽快でスウィンギーな演奏を聴かせくれる. それに対して, Pianoソロの 5曲目の It Never Entered My Mind では, 力強さと繊細さが同居した演奏を聴かせてくれる.
なお, Pat Moranは, このQuartet 以降, Bassist の Scott LaFaro を迎えたTrio を結成し, Scott LaFaro の Walking Bass がなにしろ素晴らしい This Is Pat Moran というアルバムや Bev Kelly の Vocal のバックを Trio が務めた Beverly Kelly Sings with the Pat Moran Trio というアルバムを出しているが, このアルバムでも Scott LaFaro の 素晴らしい Walking Bass を堪能できる.

ディスクジャケットの写真を載せた4アルバムは,Jumpin' At The Left Bank, Lullaby of Birdland & Other Famous Hits, The Pat Moran Quartet と While At Birdland.
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